異世界デスゲームに転送されてつらい (MFコミックス フラッパーシリーズ)
1巻についての紹介です!
あらすじ
「デンキ街の本屋さん」「阿波連さんははかれない」の大人気マンガ家・水あさとの新作!
異世界転送されちゃった目つきの悪いサラリーマンくん、かなりアレな死神さんに出会いました。
おすすめ度 : ★★★★★
絵の綺麗度 : ★★★☆☆
主人公最強度 : ★★★☆☆?
コメディ度 : ★★★★☆
サラリーマンは特に共感できるブラック企業ネタ。
新人の辛い毎日がコメディありで描かれる。
※この手の作品が苦手な方(現仕事がブラック企業で辛い方)は読まないほうがいいかもしれません。
上司である主人公の部下に対する思いやりが、とにかく心に刺さる。
主人公はブラック企業で働く管理職サラリーマンの氷室。
上司が仕事を押し付け、適当な指示しかしない最悪な環境ですが、氷室は少しの文句しか言わない男です。
目つきは悪いですが、好感の持てる主人公。
そんな氷室ですが、ある日口癖のように「死にたい」と言ってしまったせいで、異世界へと飛ばされてしまいます。
気づけば周囲には同じ境遇の人間が多数。
そして上空には死神が出現します。
その死神「メイ」は告げます。
「私の仕事は魂を狩ることだ
武器を手にとれ
ルールはない、なんでもありだ
最後に残った一人だけもとの世界に戻そう
口答えは許さぬ」
しかし…
ここで理屈っぽいサラリーマン氷室が質問。
「ルールはない。なんでもアリなはずなのに、なんで口ごたえしたらダメなんですか?」
矛盾に気づいてしまいました。
まさかの指摘に死神もキョトン(´・_・`) です。
とりあえず「ルールはありだ」と訂正する死神。
しかし、氷室の追及は終わりません。
怒涛の矛盾、言葉ミス、準備不足の指摘ラッシュです。
死神も謝り始める始末ですが、ここで氷室は一つ要求。
「トイレはどこなんですか?」
しょうがなくトイレにつながる空間を出現させる死神でしたが、これが致命的な判断ミスでした。
現実世界のトイレにつながっているので、そこから逃げられるのです。
みんな「ヒャッホウ」状態で逃げ出します(笑)。
ただ一人残った氷室に怒りをぶつけますが、逆に再び論破されます。
謝罪のためにマスクをとる死神。
その正体は、なんとも可愛らしい女の子の「メイちゃん」でした。
実はこのデスゲーム、死神界の仕事の一つであり、メイちゃんは新人での初仕事だったのです。
だから色々ボロが出てしまい、失敗してしまったのでした。
しかし、そのな事情など知らないのでさらに責め立てる氷室。
遂にはメイちゃん、泣き出してしまいます。
そこでようやく事情を知る氷室。
彼も心を持つサラリーマンの一人。
追及を止め、元の世界へと戻っていきました。
そして現実世界へと戻った氷室を迎えたのは、同じ会社の部下であり新人の宮下さん。
メイちゃんと重なるところがあり、仕事でミスをして氷室に謝ります。
そんな彼女に、氷室は優しい言葉で答えました。
「新人なのですからできなくて当然です」
同じサラリーマンとして、筆者は心にぐっときました。
下につくならこのように分かってくれる上司ですよね(*´ω`)。
その後、普通の生活に戻った氷室でしたが、どういうわけかことあるごとにメイちゃんのデスゲームに呼び出されてしまいます。
氷室がくるとメイちゃんのゲームは失敗するので、会社の個人成績としては最下位です。
新人にはつらい状況です。
しかし、メイちゃんの上司も部下を助けてくれるいい死神なので、彼女のために頭を下げてくれます。
そんなこんなで物語は進み、悪魔や天使も登場しますがそこは説明を割愛。
※気になるかたは読んでみてください♪
1巻最後の話で、メイちゃんがなんと氷室の会社に派遣(ただの氷室のスパイですが)されてきます。
ここで忘れてはならないのが、氷室の会社はブラック企業だということ。
「今日は課長からいろいお教えてもらいますね」
そういって氷室から離れたのが間違いでした。
課長の適当な指示に困惑し、仕事を押し付けられてもうボロボロです。
そんなとき――――
助けてくれた氷室。
今の彼はメイちゃんの上司です。
「部下の失敗をフォローするのは上司としての務めです」
この言葉に涙が出そうになりました。
私も同じような現場を見たことがあるので、くるものがあります。
メイちゃんの少しの勇気で終わる本作品の第一巻。
新人には間違っても↑のような上司をつけないようにしたいですね!
特に社会人の方にお勧めしたい作品です。
是非、読んでみてはいかがでしょうか!