迷宮ブラックカンパニー (マッグガーデン)
1巻についての紹介です!
あらすじ
異世界×ブラック企業!ダンジョンで生き残れ、社畜戦士。
おすすめ度 : ★★★☆☆
絵の綺麗度 : ★★★☆☆
主人公最強度 : ★★★☆☆
コメディ度 : ★★★★☆
身近な問題を異世界で表現する【異世界ブラック企業もの】
反骨精神の塊で悪だくみのうまい主人公キャラが面白い
冒頭からツイッターの仕事が辛いという発言を眺め、凡俗どもと不適に笑う主人公。
この主人公こそ、異世界のブラック企業へと転生させられる二ノ宮キンジです。
若いころの資産形成に成功し、セレブニートという謎の地位を手に入れたため、負け組の人間を馬鹿にする性格になってしまいました。
そんな彼を裁くかのように、突如として行われた異世界転生。
その異世界は今までの地位をどん底へと落とし、重労働環境の採掘現場で働くしかないことになってしまいます。
この現場、とてつもなくブラック企業です。
デスクワークの現場でおこる嫌味たらしいブラック企業ではなく、肉体労働の現場で行われる縦社会のブラック企業です。
怒られまくるだけでなく、1日16時間労働という気の狂いそうなシフト。
しかし、この世界に来た際に闇金のような場所から多額の借金をしてしまったため、辞めるに辞めれず…。
キンジはこのままボロ雑巾のように使い果たされる…と思っていましたが、偶然にもあるものを見つけて人生が変わります。
それは「ダンジョンの地下三階まで通じている隠し通路」です。
この世界のダンジョンは、よくある魔物の巣窟のような洞窟で、危険だがそこに存在する鉱石には多大な価値があります。
キンジはこれを安全に手に入れ、一儲けしようとしたのです。
このころから、少しずつキンジの厭らしい顔が出てきます。
利用しやすいワニの「ワニベ」君を引き連れ、鉱石を一通り採取した…まではよかったのですが、ここで問題発生。
凶悪そうな魔物に見つかり、ピンチに陥ります。
当然戦闘では勝てる見込みがないため、キンジはある取引を魔物に持ちかけました。
『地上にあるうまいものをたらふく食べさせてやる』
この魔物はリムという名前を持ち、食いしん坊だったためその誘いに乗ることに。
しかし、後に燃費の悪さを知り、食費が異常にかかってしまうため、借金地獄から逃げ出すことはできませんでした。
地上へ戻ると上司のブラック演説にさらに辟易するキンジ達。
もう言っていることが現実では有りえないパワハラです(笑)。
上司の言う通り、ダンジョンで働く毎日。
そんな中、キンジは冒険者が落としていった洗脳の杖を発見しました。
これを手に入れてやることは一つ……
今まで一緒に働いていた同僚達を洗脳し、強制労働させます。
今度はキンジがブラック発言です。
「指が疲労骨折するまで掘るんだ」
自分が経験した辛い作業を、他人に強要するキンジは悪役そのものです。
そして悪気は全くないところが凄いところです。
しかしそんな悪事が続くはずもなく、杖が壊れて洗脳が解けてしまい、作業員たちにボコボコにされました。
悪どい主人公が活躍しまくるお話ではないです(〃艸〃)ムフッ
キンジの悪運が尽きたと思ったころ、ダンジョンを探索し続けていた腕を買われて、探索メインの部署に異動させられてしまいます。
ワニマ君は怪我してしまい、二人分の仕事をするハメになってしまったキンジ。
不運に追い打ちをかけるようにアリの大群に襲われてしまいます。
焦るなかで頭をフル回転させ、キンジの出した答えは……
まさかのアリに変装して仲間にすることでした。
相手は働きアリなのか、キンジよりも過酷な環境で働いています。
そこに隙を見つけ、反抗の意思をアリたちに植え付けていき、女王アリを含めて全てを手ごまにしてしまいました。
これがタイトルの迷宮ブラックカンパニーの正体です。
1巻はここで終わりですが、2巻以降は迷宮の魔物たちと強力して金を稼ぎ、さらに不運に見舞われながら成り上がっていきストーリーです。
ラブコメ要素、萌え要素など一切ありません。
絵もさることながら、キンジの性格がアレなので、読む人を選ぶ作品です。
気になったら、読んでみてください♪